1:2020/07/19(日) 13:39:43.73ID:DAfPAdMd9 アメリカ・カリフォルニア工科大学の微生物学者ジャレッド・リードベター氏は、フィールドワークから数ヶ月ぶりに帰って、妙なものを見つけた。
シンクに浸しておいたガラス容器に金属元素「炭酸マンガン」が付着していたのだが、本来クリーム色のはずなのになぜか黒くなっていたのだ。
その黒い物質は「酸化マンガン」で、イオンが電子を失い、酸化したときに形成されるが、そのためにはきっかけが必要だ。
電子を盗み出した泥棒がいるに違いない。
「もしかしたら、100年以上前に予言されていた”細菌”の仕業かもしれない」そう思ったリードベター氏。果たしてその予感は的中する。
まず本当に生物学的なプロセスによって起きた現象なのか確かめるために、炭酸マンガンを塗ったフラスコをいくつか用意して、その一部は蒸気で熱消毒した。
消毒したフラスコの炭酸マンガンは1年が経過しても黒くはならなかった。ところが、消毒しなかったものは黒くなったのだ。ならば、電子泥棒は熱い蒸気で破壊されるということだ。
そこで今度はフラスコに付着している何者かを培養してみることにした。RNA解析からは70種の細菌がいることが判明し、さらに調査を続けて犯人候補を2種にまで絞り込んだ。
それが「Ramlibacter lithotrophicus」と「Candidatus Manganitrophus noduliformans」だ。どちらの仲間も地下水や水道水の中に潜んでいる。
Ramlibacter lithotrophicusを単離して調べてみると、炭酸マンガンを酸化したりはしなかった。となると、Candidatus Manganitrophus noduliformansが真犯人か、あるいは共犯である可能性がある。
じつは後者は前者から単離されておらず、単独犯なのかどうか今のところはっきりしない。学名の「Candidatus」は、培養に成功していない原核生物の暫定的地位を示す名称だ。
だが、犯人がマンガンから電子を盗み出す理由は何なのだろうか?
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